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アマーティの曲線を手本に、優れた音響のストラディヴァリ・モデルをレパートリーの中心とし、近年は幅の広い解釈のできるグァダニーニ・モデルにも挑戦しています。

 

彼らをはじめ、17、18世紀のイタリアの名工たちの作品から目を離さず、300年の時を経て今に伝わる彼らの楽器が「新作」であった時の姿と、それを生んだの手の動きを想像します。

​作品全体の表情よりも細部の精密さを作風において第一の特徴としてしまいがちな日本人的気質の行きすぎを抑え、木材の生きた質感を磨き切ってしまわない、手や見方の癖から生じる自然な歪みや非対称を補正し終えてしまわない、イタリア的で、文字通りの意味での「いい加減」を知る職人が表現者でもあったヴァイオリン製作黄金期のメンタリティに、12年間のイタリアでの経験をヒントに遠く松山からアプローチしています。

演奏家が楽譜や奏法に忠実でありながらもそれぞれの個性を放つように、ヴァイオリン製作家として私も、脈々と繰り返されてきたスタンダードなモデルや工法から逸脱することなく、かつ「古典」に対する製作者の解釈が見て取れる表現力豊かな造形を目指します。

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